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岡空小児科医院の先生とお話したいかたはお気軽にどうぞ! |
7歳の小学生です。 5月に学校で蟯虫検査があり、陽性でした。 コンバントリンという駆虫剤を飲みましたが、再検査で陽性であり、再度治療して、結局7月の終わりになって治癒しました。 その間、学校側の指示でプールが禁止され、子どもは寂しい思いをしたようです。 蟯虫が陽性の子どもはどうしてプールに入れないのですか?
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これはあまりにも理不尽な学校側の対応ですね! 影井昇先生(国立感染症研究所客員研究員/寄生虫予防会専務理事)は日本医事新報、No4238(2005年7月16日、p47〜49)で次のように書かれています。 蟯虫の雌は、夜間、宿主である人が就寝して肛門近くの括約筋が緩んだ時、肛門周囲に出てきて産卵する。 産み出された虫卵は肛門周囲の酸素と体温と湿度により極めて早く発育し、翌朝起床時には感染能力を持つほどになっており、これが人の口に入って感染する。 一匹の雌は一晩に1万個近くの卵を産み、起床後、人が活動的になると、多くの虫卵は肛門周囲から離れて布団や畳の上、脱衣場などにばらまかれるが、肛門周囲に付着したままの虫卵もある。 したがって、プールなどの遊泳時に虫卵が水中に泳出し、それが他人の口に入ることがあるのは当然考えられる。 しかし、平等な教育の場の提供などの観点より、頭から「蟯虫保有者は遊泳を禁ずる」とか「駆虫したことの証明書を持参しなければならない」などの処置をとることは、あまりにも非人道的だと思う。 そこで、私は次のように対処すれば問題は解決するものと考えて指導している。 すなわち、蟯虫感染の有無にかかわらずプール遊泳に際しては、学童全員が水着を着る前にシャワーを浴び肛門周囲を石鹸でよく洗浄することである。 裸になることが学校や幼稚園で問題になるのであれば、水泳のある日だけでも児童全員に自宅で朝起きた時肛門周囲をよく石鹸を用いて洗ってくるように、前日に教師が指導し、それを家庭で実行すれば、虫卵が泳出することなく、子どもたちも気持ちよく泳げ、問題はなくなると考えてよいであろう。 私も「蟯虫保有者は遊泳を禁ずる」とか「駆虫したことの証明書を持参しなければならない」などの処置を一方的にとることは、あまりにも非人道的で理不尽だと思います。 ぜひとも学校側と相談してみて下さい。
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