連続小説 商工BOYS 第7回 〜青年部入部編〜 著:栃木県青連 高野ゆうじ
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「♪♪♪役場の〜そば〜の〜、美術館の並び〜の〜、ありました〜ありました〜あ〜」 人は、どうして運転しながら鼻歌を歌うのでしょう? (あれ?俺だけ?)
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「まぶしいぜ!スポットライト!」 「ここか!馬羽町商工……会館???」
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「快感!…チャン・リン・シャン!8940!」 (それ違う!)
何階建てから会館と呼ぶのか、何人収容で会館と呼ぶのか、その辺はよくわからないが正直ちょっと驚いた! (でも会館といえば会館か〜、逆に会館以外に思いつかないか…)
思えば、会館だろうがホールだろうが、呼び方というか名称なんて、付けたもん勝ちの名乗ったもん勝ち。 うちのような書店は「○○書店」しか無さそうだが 喫茶店の場合、「純喫茶○○、○○珈琲、コーヒーショップ○○、カフェ○○、カフェ・ド・○○」 床屋さんの場合、「○○理容店、ヘアーカット○○、ヘアーサロン○○、バーバー○○、カットハウス○○」 車屋さんの場合、「○○自動車、オートサービス○○、○○モータース、ガレージ○○、○○輪業」 飲食店や美容室に関しては、もはや喩えきれないわけ。単にセンスの問題で、自由は自由。 (ツッコミたいお店なんてごまんとあるわけで…) とはいえ、「マンハッタン・カフェ」のように、ちょっとした理由や思い付きで決めているところ 老舗としてその名前を守り続けているところ、どちらにしても 呼ぶ側は正式名称なんて案外どうでもよくて、呼びやすいように勝手に呼ぶもの。 はたして、書面以外で何人の人が正式に「商工会館」と呼んでいることか。 (いや、別にこのままでいいんですよ、このままで) 「まず名前ありき」の要素が強いお笑いコンビやブランドショップ、ラブホテルのように 最近では短縮されることを狙ったパターンも多く、パッとしなければいつでも変えればいいや、ぐらいの構えで名前に対する思いも名付け方も、時代と共に変わってきているような。 (会館という呼び方ひとつで、そんなに膨らまさなくても…)
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(※満天に輝く 幾千の星星 ZERO START NEXT ACTION)
「いよいよ来たか!よし中に入るか!」 私は、会館からこぼれる蛍光灯に煌々と照らされた、仕事終わりに集まった部員の営業車に挟まれるように駐車して気合いを入れたが 明かりひとつ無い真っ暗な周辺からぽっかり浮かぶその異質の空間は、怪しい団体ではないにしろ それまで無縁の世界というだけで敷居が高く、さすがにスタスタ入るのを躊躇した。
(あれ?あの人、このあいだの人だよな〜) 私は、玄関横でタバコを吸うゴルフ練習場で会ったと思しき部員さんを見つけ あの人をきっかけに中に入ることを思いついた。 (あの時は簡単な自己紹介だったので、名前までは…)
「こんばんは!」 「あ!どうも、こんばんは!あ!どうぞ、どうぞ、どうぞ!」 彼は、外用に設置された足の長い灰皿でタバコをもみ消し、私を中に促した。 「中は禁煙ですか?」 「はい、最近、禁煙になったんですよね〜」 「じゃあ、俺も1本吸ってから行こうかな!」 「そうすか?じゃあ、中に入って部長呼んできます!」 「いやいや、別に呼ばなくても…」 一緒にタバコでも吸いながら、状況というか青年部の情報でも聞きだそうとしたのに あっさり中に行ってしまった。 (転校生って、こんなかな?)
ガラス戸に張られたセミナー案内のポスターを見ながら、私はタバコに火を点けた。 「どうも・どうも!来てくれてありがとう!」 (わお!早っ!しかも、そっちから?) 小宮山さんは、玄関からではなく、会館の裏手からサッと現れた。 (ここでも、この人の登場は普通じゃないのか!) 「どっから来るんですか!」 「えっ?……そっちに階段があるんだよね!」 小宮山さんは、2階に直接つながっている会館横の外階段から下りてきたようで 「いや〜、嬉しいな〜、嬉しいな〜」 自分が、いつも・いつも普通じゃない登場をしていることを気にしていない風で 喜びながら私の肩を散々叩いて、両手で握手を求めてきた。 「握手って、政治家か郷ひろみしか似合いませんよ!」 私は少しのけ反りながら、その握手に仕方なく応じたが 「そうなの? JAPAN !!!」 小宮山さんは全国レベルでもかなり低い書類審査落ちのモノマネ。 (やっぱ、来なきゃよかったか…) 昔、握手を求めてくる日本人には2つのタイプしかないと聞いたことがある。 欧米の生活環境を意識する人、政治家を意識する人。 (小宮山さんは後者かな?)
「商工会って昔はここじゃなかったですよね〜」 私は、「郷ひろみモノマネ」を打ち消したくて、平然と質問をしてみた。 「そうそう、昔はそこの信組の反対側!道路拡張で、今、駐車場になっているところ!」 「ああ、はいはい!そうでした!そうでした!」 小宮山さんの指先を見ながら、すっかり忘れていることを思い出したことが気持ちよくて 「じゃあ、ここは何でしたっけ?」 いろいろ思い出したくなって質問を続けた。 「ここは〜、専売公社だったかな?あれ?国鉄バスの倉庫だったかな?」 「ああ、懐かしいですね!専売公社とか国鉄バスとか…」 「そうね、どっちも民営化したけど、それまでは JAPAN だったからね!」 「……国営を JAPAN とは言わないでしょ!」 「俺、インターナショナルスクール出身だからさ!」 (えっ?欧米の方だったの?) 「えっ?……ホントですか?」 「♪言えないよ〜」 「……」 「それ吸ったら中に行こうよ!」 「……」(汗) (この人に誘われて、俺はここに来たのか…↓)
小宮山さんのことはさて置き、帰郷してから数ヶ月、改めて、この町を知らないこと・忘れていることに驚き さっきのスーとした気持ちよさの何倍もの気持ち悪さを残して、タバコをゆっくり深く吸った。 (昔は、この辺を歩いて通学していたはずなのに、忘れているな〜)
大概の大人は、自分に係わること意外を、知らないこと・知らないでいいことと分別して 言われても気に留めず、気づいても流してしまう。 「それがどうしたの」「どうでもいいことじゃない」「忙しいから後にして」 「たいしたことじゃないよ、そんな細かいこと」「そんな小さなこと気にしてなかったな」 「車でいつも通る道なのに気にも留めなかったわ」 「自分には関係ないことだからな」
自分の住んでいる町でも、知らないこと・知らないところは結構あるもので 言われてみて初めて気づくことや、改めて確認して気づく事柄にびっくりする。 通学路や近所のぬけ道、学校の裏山や遊び場の空き地、たわわに実る柿の木、怖いジジイ 発見や発明ばかり探していたあの頃なら、見つけ出して当然知っていることばかりなのに つまらない常識やくだらない概念、窮屈な習慣や退屈な予定、そんな余計なお荷物が増えて 脳の回路から好奇心が逃げ出し、見えないように気づかないようになっているのだろうか。 (この町に生まれこの町で育ったけど、この町を考えたことなかったな) (子供の頃に行ったあのお祭りのことを、これから話すのか〜、あの頃は賑わってたな〜)
「もう行こうよ!」 私は、小宮山さんの声とフィルターだけになった指先のタバコに驚いて、慌てて灰皿でもみ消し 電源を切って自動じゃない自動ドアを、両手で押し開いて進む小宮山さんの後ろを追って玄関に入った。 エントランスロビーには、TVを見ながら人数が集まるのを待つ5・6人の青年部員が溜まっていて TVを見る人、雑談中の人とそれぞれだったが、一斉に笑顔でこちらを向いた。 数日分が綴じられた分厚い新聞を読んでいた人が、それをパラパラ片付けながら元気よく挨拶をしてくれた。 「こんばんは!」「こんばんは!」「こんばんは!」 それから何人にも挨拶をされて、頭を下げるのと上げるのが逆のタイミングになるほど挨拶をした。 (赤ベコかっ!)
名産品が飾られた大きなガラスケースと、A4サイズの各種案内ちらしの陳列 正面の壁一面に書かれた企業名・個人名と施工に係わる寄付金額 挨拶をしながらも、その見たことのないロビーの風景に目を取られた。 「建物探訪じゃないんだから!」 あまりにも観察している私を、小宮山さんは制し 「じゃあ、上の会議室に移動しようか!」 と全体を促して、これから会議をする気合いなのか、進入部員を連れてきた誇らしさなのか 堂々と蟹股の碇型で闊歩して階段を上り、どう受け入れられているのか不安な私に 「議題の途中で、この間の話しみたいにお祭りについての考えを言ってね!」 とつぶやいた。私は、軽くうなづき後をついて階段を上った。 (さあ、これからどうなる?) (あれ?もう入部してることになってるのかな、そういえば?)
2階には大会議室と小会議室があり、間の壁を取り除けばその2つの会議室がひとつになるような造りで 階段を上がったところに長椅子と灰皿、トイレと給湯室、6畳ほどの和室 「いつもはこっちの和室でやるんだけど!」 小宮山さんはそう言いながら、小会議室に入り、私もみんなも入室した。 「あの〜、青年部担当の事務局吉見です、よろしくお願いします」 入室したところで、すぐに立っていた吉見という事務局員さんに挨拶され 「こちらこそ、よろしくお願いします」 スーツのこの人は青年部ではなく、商工会の人なんだと認識した。 (ほかのみんなは作業着とかジャージとかだもんな)
奥の正面が小宮山さん、挟むように私と吉見さん、私の横に3人、吉見さんの横に3人 楕円につながったテーブルを囲むようにして会議は始まった。 小宮山さんと目配せをした吉見さんが両手をテーブルについたまま前傾で立ち上がり 「え〜、それでは、青年部の会議を始めさせて頂きます はじめに、部長の挨拶、小宮山部長よろしくお願いします」 言い終えて座る吉見さんと咳払いをしながら立ち上がる小宮山さん。 「え〜、皆さんこんばんは!」 「こんばんは!」 【ドリフ】のオープニングや【いいとものテレホンコーナー】とまではいかないが 息の合った大きめな声でみんなは続いた。 「え〜5月の総会の時にも言いました、そして、事業計画にも入れました、あ〜夏祭りに関しての お〜今日は、会議でございます。時間が、あ〜もうあまりありませんので、え〜活発なご意見を お〜お願い致しまして、え〜簡単ですが、あ〜挨拶に代えさせて頂きます、どうぞよろしくお願いします!」 「それでは、小宮山部長を議長に…」 ちょっとだけ立ち上がり進行を続けた吉見さんの話を止めて 「高堀君とみんなの自己紹介を先に!」 「あ!そうですか!じゃあ、部長が!」 小宮山さんは、全体を見渡し最後に私の顔を見て 「高堀君、ちょっと立って!」 と言って自分でも立ち上がった。 「え〜、みんな、進入部員の高堀書店の高堀君です!じゃあ、高堀君、自己紹介して!」 私は、フィーリングカップル5×5とか、合コンの自己紹介の場合 後半にやらせてもらった方が嬉しいタイプなので、こういういきなりの自己紹介の場合の引き出しが乏しく 「高堀です、30歳ですが、早生まれなので31の学年ですが、去年帰ってきたばかりで、この町のことも商売も よくわからない点が多いとおもいますので、ご指導のほど、どうぞよろしくお願い致します」 なんの面白みも特徴もない挨拶をしてしまったが、暖かく拍手をしてもらった。 (やべえ・やべえ、なんとか無事に乗り越えた…)
「じゃあ、どうしようかな〜、山本からそっち周りでいきますか?」 小宮山さんが、全員の自己紹介を促し、普通は嫌がるようなところだが、山本さんは進んで立ち上がり 自分の間で自己紹介を始めた。 「ええと、私と大淵と木内は高堀君とはゴルフ練習場でたまたま会ったことがありますけど ねっ!山本薬局の山本です!」 (ああ、この人、1コ上の人だ!山本薬局ね〜、ああ、いた・いた!思い出した!1コ上だ!) 「ええと、薬剤師なので体調が悪い時には言ってくれれば、いい薬ありますから!」 「バイアグラ!バイアグラ!」 小宮山さんが口を挟んだが 「それは部長だけ!」 山本さんが間髪入れずに突っ込み、一同大爆笑。 「あと、大学時代には落語家を志しておりまして、初代富山亭円薬という名で頑張っておりましたが 卒業の年におとっつぁんが倒れまして…」 (おとっつぁんて!) そこから、急に落語のように左右に顔を振り、かみしもで話し始めた。 「おとっつぁん、具合はどうだい?」 「悪いな、遠方から呼び戻しちまって。」 「何、水臭えこといってやがんだ!」 「おっかさんのこと、くれぐれも頼むぞ!」 「何、弱気なこといってやがんだ!」 「お前に、夢があるのはわかっている、ただ、おっかさんの為にも店を継いでもらいてえんだが…」 「わかってらぁ、おとっつぁん、任しとけ!」 「てなわけで、お馴染みの人情話でございますが、店を継いで薬剤師をやっているわけで 病は気から(大声)、富山亭円薬、改め山本清でございます、どうぞよろしくお願い致します!」 (完成度が高すぎる!何度も何度も人前でやってるな、こやつ!) 私は、「なんという芸達者な」と心から拍手をしたが、みんなは、どうも見慣れたことらしく 拍手をしながら、「少し噛んだな!」「水臭え、のとこ、いつもよりやり過ぎだね!」とか、手厳しい評価。 (やっぱり十八番か、よくできてるもんな〜) (拍手)
「俺ですね…ええ、山本の後はやり辛いな〜、大淵電気の大淵です!俺もゴルフの練習場で、ねっ!」 (ああ、この人は2コ上だ!ああ、いた・いた!思い出した!2コ上!1年3年!) 「ええ、俺は、バンドやってました。高校時代なので素人も素人でやめちゃいましたけど 今でもギターは毎日さわってます。家の離れにプチスタジオを造って、あっ、加瀬ヤンに造ってもらって、なあ! 劇団ひとりじゃなくて、バンドひとりやっています!ヨロシク!」 (へえ、落語家にバンド!) (拍手)
「看板屋・木内屋の木内です!」 (2コ下か?たぶん2コ下!) 「恥かしいっすね、ええと、俺はマンガ家になりたかった〜です! 今も書いて〜ます!ええと、元々は(コボちゃん)とか(かりあげくん)とか、単純で愛のある4コマ漫画が好きで もちろん、手塚治先生とか藤子不二雄先生とかもすき〜です。そのうち、何でも勉強だと思って 最近は、(サザエさん)みたいな家族がテーマのやつを、書いて〜ます。よろしくお願いします!」 (へえ、落語家にバンドに漫画家!) (拍手)
「へえ、今度読ませろ!ええと、加瀬工務店の加瀬です!」 (俺より下だな〜、あれ?野球部にいたような、かな) 「参ったな!俺、何も無いッス!」 「いいんだよ!」 小宮山さんが助け舟。 「ええと、大工として、自分の腕には自信あるけど、体のキレにも自信はあるけど、あっ、あっ俺!格闘技がスキです! 特にガチンコのやつがスキで、ハリウッドとかの外人の名前は覚えられないけど、格闘家の名前を覚えるのは得意です! ヒクソン一族は全員言えます!ええ、元々は、新日より全日がスキで、あっ!またそれは今度ゆっくり、よろしくお願いします!」 (格闘好きか!似合ってる・似合ってる!) (拍手)
「美容室プロヴァンスの橋上です!」 (下だな、下!) 「ええと、プロヴァンスってわかります?」 自己紹介だから聞いていればいいと油断していたが、私に質問しているようなので 「…南仏の?」 と慌てて答えた。 「おお、さすが!私は、元々は南青山の美容室で働いてましたが」 「自慢か!」 と、加瀬が突っ込んだ。 「いやいや、あ、青山じゃ無くて南青山ってところが好きで、フランスも南フランスがかっこいいなあってことで プロヴァンスって名前にしたってことを言いたかったんですが…」 「なにそれっ?」 と、加瀬が突っ込み 「へえ、それでプロパンガスだったんだ!」 小宮山さんが続いた。 「プロヴァンスです!」 (小宮山!黙ってろ!) 「高堀さん、わかりますよね?」 (え?また俺に聞くの?) 「……わかりますし、名前は付ける方の自由ですから、いいんじゃないですかね」 (またまた、イマイチなコメントで…、プロヴァンスさんを救ってあげられなかった…ごめんよ) (北青山だったら?とかにしておけばよかったかな〜) (拍手)
「ええ、ヘアーサロンはやしの林です!」 (ああ、昔からあるね、林床屋か〜) 「私は南青山なんて行ったことありませんし、ナムアミだかナンフツだか、そんなお経みたいなところ知りませんが 私で5代目の床屋です!商売は名前じゃなくて腕だと思ってますので、どうぞよろしくお願いします!」 「そういう方が好感持てます!」 山本がきっぱりと言って、一同大爆笑。 橋上を見ると、完全にスネた顔でこちらを向いている。 (俺を見られてもな〜、がんばれ!がんばれ!なんか言え!) (拍手)
「じゃあ、とりあえず〜全員やったから、吉見さんもやれば!」 小宮山さんに言われて、嫌がりながらも 「青年部担当・事務局の吉見です!どうぞよろしくお願いします!」 「それだけなの?」 全員が自分もやったんだから〜的な空気で突っ込んだ。 ちょうどその時、エプロンを付けた人が、袋を胸に抱えて小走りで入ってきた。 「遅れまして〜すいません!」 その後ろから大きな体のジャージの人も入ってきた。 「ちょうどよかった!今、自己紹介してたんだ!やって!」 いきなりのフリに、持ってきた袋からみんなの飲み物をざざっと出しながら 「副部長の磯田です〜。磯屋という酒屋でございます。ええ、何話せばいいんですか?」 「なんでもいいよ!」 小宮山さんは適当に答えた。 「ええ、今年小学校1年生になりました長女と〜、可愛い盛りの2歳の次女の2人の娘がおりまして」 「娘の紹介をしてどうする?」 小宮山さん、すかさず。 「ああ、え、趣味は〜、DVDを娘と一緒に見ることで」 「やっぱ、娘か!」 「すいません、え、そんな感じで、缶コーヒーとお茶を持ってきたので、どうぞよろしくお願いします。」 (最後は、飲み物の紹介しちゃったよ!) (拍手)
全体を見渡しながら、小宮山さんは 「じゃあ、全員の紹介が終ったところで…」 「そういう仕打ちですか?」 後から入ってきた大きな体の人がブスくれた感じで突っ込んだ。 「あ、わり〜わり〜、どうぞお好きなように〜」 さらに適当な小宮山さん。 「なんだよそのフリ!立石肥料店の立石です。え〜、独身なので子供はいません!」 「ホントか〜〜〜?」 何人かがツッコミ。 「そう言われると定かではありませんが、今のところ、そういう情報は入ってきていません!」 (この人、よくコンビニで見る、見る・見る・見る!) 「え〜、焼肉とすき焼きなら焼肉!塩ラーメンよりしょうゆとんこつ、できれば背油チャッチャ系! 焼酎は絶対に芋!あと〜、旅行に行ったときの好きな言葉は、部屋に呼ぶより店に行け! あれ?ココ笑うことですけど!あれ?なんか、もう止めた方がよさそうな…、あれ?よろしくお願いします!」 「時間が無いので、さっさと行きま〜す!皆さんよろしくお願い致します!」 小宮山さんは、立石さんがしゃべり終わる前に。 (下ネタ嫌いじゃありませんけど、今じゃなくても…ドンマイ!) (拍手)
少し雑な扱いをしたりされたりだが、みんなニコニコしながら会議は始まった。 小宮山さんは、いささか強引だがリーダーシップを前面に議長として進行して 私が答えたイベントの難しさを膨らまし、みんなから自由な意見を引き出した。 でも、「絶対にやる!」という姿勢で前向きに話しを進め、自然とみんなも「そのつもり」で話は進んだ。 少し話が脱線したり横道に反れたり、そこで笑いが起ったり個性が出たり、自由だけど大人の会議。 それまで知らない、いろんな職業のいろんな名前のいろんな人と、「ひとつのこと」についての会議。 それが自分の仕事ではなくて、お金になることではなくて、自分の生活する地域のこと。 次回の会議に持ち越した部分はかなりあるが、「絶対、やれそうな気がする〜」と思える手ごたえ。 最後に、小宮山さんが 「じゃあ、次回までにいろいろ考えてきてください!よろしく哀愁!」 いらない挨拶をして会議は終了した。 小宮山さんのことはさて置き、今まで経験してきたいろんな会議とは違う、気持ちのいい時間だったような。 それは、文化祭や学芸会をやるような学生ノリの面白さなのかもしれないが 「やらされているのではなく、やりたいからやっている」というような、みんなの気持ちを感じたからかもしれない。 いろんな集まりや団体があるだろうが、この集まりはなんとなく面白そうかな、率直にそう思った。 (あれ?あれ?あれ?入部します、とかっていう正式な返事も手続きもしてなかったな…) (別にいいけど…これで入部なの?あっけねえ〜〜〜) |
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