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中四国GIS技術研究会への期待。


地理情報システム(GIS)は従来より、位置情報を保有するデータの管理、空間解析や意思決定支援等のために、様々な機関で利用されている。ところが近年は、カーナビや電子地図、WebGISなど、利用目的の特化したものが個人向けに急速に普及している。この背景には、GIS技術が成熟し、データを格納する電子記憶媒体や各種デバイスが安価になったことが大きく影響している。また、一般個人ユーザの求めているものは、高機能で操作の複雑なGISよりも目的が明確で扱いやすいモノであることも伺える。今後もこの傾向は、ますます色濃くなってくると想像される。もともとGISはその名の示す通りシステムであり、アプリケーションではない。したがって、コンピュータに例えるならOS的な動きを、車に例えるならエンジンの働きをGISに求めている。このように従来より培われているGISは汎用GISと位置付け、電子地図やWebGIS等のアプリケーションとは一線を画すべきであろう。

その汎用GISは、それ自身非常に高機能であるがゆえに、ユーザの望む特有の目的を達成するために、処理の筋道を立てるのに多くの時間が必要とされるものである。現在、いわゆるGISエンジンとして、様々な製品が開発されており、ユーザフレンドリーな操作環境を実現するべく様々なアイディアが投入され、具現化されている。しかし、それはそれでシステムの基本思想をまず十分理解する必要が有り、そのためにやはり多くの時間を費やしてしまう。したがって、GIS技術である「シーズ」とユーザの要求するところの「ニーズ」との間には依然として隔たりが存在すると感じられる。

とこれで、現在多くの自治体ではGIS導入に苦慮している。実際、全庁的にGISを導入したにもかかわらず、それを維持することができなかった例が多くあった。その原因の多くは、データの整備と維持に膨大なコストがかかること、GISに精通する職員が定期的に異動すること、地元においてGISを生業とする企業が少ないためサポート体制が十分でなかったこと等が挙げられる。しかし、根本的な原因としては、シーズとニーズとが十分マッチしていなかったと言える。

中四国GIS技術研究会は、データ整備に実績があり、地元と密着した活動をしている会社により組織された団体である。この研究会の設立によって、組織的にGISに関するあらゆる情報が共有されれば、極めて効率的にGIS技術を向上させることができるであろう。自治体等において導入されるGISにおいて、シーズとニーズとを繋ぐ重要な役割を担ってい頂けると期待している。


高知工科大学
社会システム工学科助教授

農学博士 高木方隆


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