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毎日の暮らしに欠かせない「食」を2回シリーズで考え、今回は、うつわ屋Sun−inさんのご好意で境港から鮮魚と、山陰の器を送っていただき、あらいふねっと初の試み、魚を美味しく食べよう、とプロの板前さんに調理・料理の手ほどきをいただきました。レポートは、現地特派員「洋子さん(40代女性)」です。
開催日時 10月24日(木) 14:00〜16:30 天気 初秋の風の気持ちのいい日 場所 東京都練馬区 沖寿し 参加者 Sさん(40代女性)・Tさん(50代女性)・Hさん(50代女性)・Kさん(40代女性)・Mさん(50代女性) Yさん(40代女性)・Nさん(40代女性)/うつわ屋Sun-inオーナー |
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昨日、沖寿しさんに直接届いた魚は、真鯵、すみいか、いなだ、真鯛。 前の日の朝まで日本海で泳いでいたピチピチした魚たち。 大きな保冷箱に入って、ピカピカ光っています。 天然もののうえ新鮮なので、色艶のいいこと、いいこと。 あまり魚には詳しくない私でも、「うまそう〜」と感激。
ニヒルで無口そうな板前さんが、出刃を含めて人数分の包丁を丹念に研いでくださいました。 いよいよ、調理開始。 板さん曰く、「見ただけではわからないよ。」と実習時間もとってくださったので、まずは、イカから。
板さん: これは、何イカだと思う?
Tさん: モンゴイカ?
板さん: スミイカだよ。スミイカが大きくなるとモンゴイカになるんだよ。 全員: へぇ〜(へぇ〜度高い!)
Tさん: 私、たまに塩辛作るんですけど・・・。
板さん: 塩辛は、スルメイカだね。年が明けると大きくなって美味しくない。年内のものが旨いね。鮮度がいいものは、赤黒い。白いイカは良くないね。
Nさん: イカの皮って、取れなくて苦労しちゃうのよね。 実習には、Tさんが参加。心配は無用。新鮮だからズルっと!スポンと!きれいにとれます。
Tさん: 本当! 指を皮の間に入れるだけできれいに取れる!
板さん: 軟骨があるところに包丁いれ、開く。頭が付いていた部分の端を切りそろえる。これを取っておかないとだんだん赤く変色してしまう。目は、ナナメに包丁を入れて水の中で外すと墨が飛ばないんだ。あとは、塩で洗い、臭み・ぬめり取る。
※試食の時の感想 塩で洗ってから生で食べると、甘みがありイカそのものの味を実感。 ゲソもプリプリしてとても歯ごたえがあります。
板さん: ゲソは、しゃぶしゃぶのように沸騰したお湯にさっと通す。半生状態が少し歯ごたえあって旨い!
次に鯵。
板さん: このアジ触っただけで、新鮮で脂がのっているのがわかるね。これは、アジのたたきにすると旨いよ。ところで、魚には、上身・下身があるのは知ってる?
Sさん: えっ!どういうこと?
板さん: 魚をまな板の上に置いたとき頭を左にするでしょ。そのとき上にくる部分を上身、下にくる部分を下身って言うんだ。
全員: へぇ〜!(へぇ〜度、倍増)
板さん: 上身・下身じゃあ値段も違うし、味も違うんだよ。
Kさん: どうして?
板さん: 下の身は、魚の重さでつぶれちゃうから・・・値段が安いんだ。だから切り身のとき骨が付いてるんだよ。マグロなんか、かなり値段が違ってくるよ。
Kさん: じゃ! 旦那にいいとこ食べさせてたんだ。
Tさん: 海で泳いでいるときは同じ値段なのに・・・陸に上がると変わっちゃうんですね。
板さん: ヒレの下に包丁を入れ、頭を外す。頭から尻尾に向かって包丁を入れ、内臓を取り三枚に下ろす。皮は、尻尾に切れ目を入れ、皮目を下にして包丁を動かしながら半分ぐらいまで切る。後の半分は、皮を左右に動かしながら外していく。 全員: ほぉー、なるほど。
板さん: 塩水に付けて置くと冷蔵庫で保存できるよ。少しレモンの切ったの入れてもいいよ。十分、刺身で楽しめる。とにかく、血合いをしっかり取って、下ごしらえをちゃんとすれば臭みも無く、保存もきくからね。真アジは、酢で〆ても旨いよ。 実習には、Nさんが参加。魚をさばくのは、ニガテ、と言いながら、最初はオズオズ包丁を持って、「右?左?」と迷っていましたが、無事、三枚におろすことができました。よかった、よかった。新鮮な魚はハラワタがちっとも臭くありません。 魚には表と裏があり、と板前さんの説明もヒートアップ! これは、きっとたたきに最高でしょう!
そして、イナダ。
板さん: ワラシ→イナダ→ワラサ→ブリに変わっていくよね。 大体、ブリは2月・・・。寒ブリが旨いよね。俺なんか、この年になるとブリよりイナダくらいの脂ののりがおいしく感じるね。ブリになると脂が濃くて・・・。このイナダ、刺し身と焼き物にしてみよう。切り身にするとき、手の幅や指の本数で決めていく。プロが切ると大体みな同じぐらいの大きさになってるんだ。
Hさん: そういえば、魚の寸法を計るとき手で計っているの見たことあるわ。
Mさん: こんなに大きな魚下ろせるかしら?
Kさん: 普段は、サンマかアジを下ろすのがやっとなのに。
Sさん: これだけ大きいと頭下ろすの大変よね。
Tさん: いつも力任せに格闘してるわ。
Mさん: 皮取るも大変よね。皮に身がくっ付いちゃって・・・なかなかうまくいかない。
板さん: コツだよ。コツ! 骨を切っちゃダメだよ。エラから頭の所の骨と骨の間の関節に包丁入れるんだよ。力任せだと俺たち職人だって腱鞘炎になっちゃうよ。
Mさん: 本当! 力いらない。包丁も良く切れる。
板さん: 皮・内臓は、アジのとき同じ用に・・・ただ、腹の皮をとるときは、骨に沿って包丁を立てるようにするとききれいに取れる。三枚に下ろしたら、一度真水で洗ってやる。塩水では、ブドウ球菌が繁殖しやすい・・・
Nさん: 塩水の方が殺菌作用ありそうな気がするけど・・・。 実習には、Mさんが参加。切り身に切るときは、関節に刃先を入れて体で切る。 刃先を斜めにいれてから、皮の間際で刃先をたてると、切り身がきれいにできあがり。 やはり新鮮な魚は、塩を振っただけで焼く。
※奥さんの料理テクニック盗み見チェック・・・ 焼くとき、魚に塩をふりアルミホイルで包んでから網の上で焼いていたぞ! 食べてみると短時間で魚の中まで塩がきいている。アルミ焼きにコツあり!
次は、真鯛。
うろこ取りをしなくても、刺身にきれいに切る。 天然ものは、しっかり尻尾もあり、魚の美しさそのものです。
板さん: 刺し身にするときウロコを取らずにやるから。焼き魚や煮つけにするときは包丁かウロコ取りで取ってね。
Kさん: 刺し身でもまずは、ウロコ取ってからって思っていた・・・。ウロコ取りってあるんだ。
板さん: ウロコの付いたまま三枚に下ろすときは、ウロコに逆らって・・・つまりアジ・イナダを下ろしたときと逆に尻尾から頭に向かって包丁を入れる。そうするとウロコの処理をしなくてもいいんだ。あとウロコって結構やっかいで後始末が飛び散って刺し身にまぎれたりとやっかいだから・・・
Tさん: なるほど。見て!見て!タイの皮!ウロコ付いてると綺麗ねぇ!
Kさん: バックができそう。 合間合間で、プロしか知らない技を教えていただき、感激、感動、感嘆。
そして、盛り付けられたお刺身。
山陰の窯元で焼かれたお皿に盛り付けていただき、見た目も本当においしそうです。 境港で水揚げされた新鮮なお魚を一番おいし料理方法で・・・・・ 地元の陶芸家たちが作った作品に盛り付けて・・・・・ なんとも山陰づくしの贅沢な・・・まさしく「食を楽しむ」でした。
終わってからは、試食。
沖寿しの奥様に、あらでお味噌汁を作っていただきました。生くささがまったくなく、ゆずとわけぎの香りがとても上品です。 新鮮で、素材のいい魚は焼いても生でも、そのままで食べるのが一番美味しいみたいです。奄美の黒糖焼酎もご提供いただき、午後のひと時豊かな時間を送りました。食べきれなかったお刺身、焼き魚はお土産にいただき、夕飯のおかずにしました。
魚は捨てるところがなく、すべてを調理することができることを目の前で見て実感することができました。新鮮な魚を見る目を養い、調理し、料理していただくことが「食」の本当の贅沢なのかもしれません。これまで、魚を食べるということは、スーパーに行けば済むと思っていました。「なんでわざわざ、鮮魚を送ってもらって、自分でさばく必要があるの?」と思っていましたが、実際に「まんまの魚」を見て、どう調理するか、どう調理したら一番美味しく食べることができるのか、魚を可愛がることも大切なんだなぁ、と「目からウロコ」の井戸端会議でした。 |
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あらいふねっと事務局より: 今回の井戸端会議のレポートは、現地特派員「洋子さん」に送っていただきました。参加された方の生の声、雰囲気、皆さんに伝わりましたでしょうか? あらいふねっとでは、今後もこのような企画を展開していきたいと思っています。 |
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