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保育園生活も残すところあと半年、というころから、ナミの様子に変化が出てきた。とにかく母親にベッタリなのである。年長さんになったばかりのときは超張り切って、赤ちゃん組や年下の子どもたちの面倒をよくみて、お姉さん気取りだったのに。 じつは、このころ、通う予定の小学校のバザーに連れて行ったことがあった。ナミは初めてのシチュエーションに弱く、すんなりなじむことが苦手な性格なので、少しでも慣れさせようと、「ここがナミの通う小学校だよ」などと親心を発揮していたわけだ。 ナミは、保育園とは段違いの広さに驚き、活発に走り回り堂々とした小学生のお兄さん、お姉さんに圧倒され、不安に感じたようだ。まあ、この点も母子では違っていて、私は小さいころ年上の子と遊ぶのが好きで、「お姉さんを産んで」と言ってよく母を困らせたそうだが、ナミは逆。年上の子が「遊ぼう」と声かけしてくれても気乗りしないようで、年下の子には積極的に世話を焼く。保育園の先生も「ナミちゃん、本当にやさしく面倒をみてくれるんですよ」と言ってくれるのだが、年下の子同士のケンカの仲裁まで買って出ているという(←単なるおせっかい?)。
園での行事も全て「最後の」が付く。最後の運動会、最後の芋ほり遠足…。その合間に就学児健診が入る。そんなこんなで、本人も「卒園」「入学」の意味合いがなんとなく分かり、よけい不安が増していったのだろう。 かくいう母親の私も初めての子どもゆえ、小学校入学に不安がないわけではなかった。いや、昨今の子ども同士のいじめ、教師の生徒への破廉恥行為などが話題に上る世の中ゆえ、実はすごーく不安であった。「はっきり言えないタイプだし、いじめられるのではないか」「いやな担任に当たったらどうしよう」「ひとクラスの人数はどれくらいなのか」「のんびりしているし、勉強は大丈夫だろうか」…などなど心配したらきりがない。しまいには、我が子が登校拒否に陥ったら、鳩間島(里子制度を取り入れている沖縄の離島)に行かせよう…などとひそかに決心までしていた(←相変わらず大げさ)。
もしかしたら、表面には出さなくてもこんな私の内心を子どもが敏感に感じ取り、不安に思ってしまったのかもしれない…と反省。まずは自分自身の不安を解消するべきだと思った。不安をやわらげる方法はただひとつ。「知ること」だ。そこで、子どもが通う予定の小学校の学校公開日に出かけてみたり、上のきょうだいがいるお友達のお母さんに話を聞いてみたり、学校説明会に出てみたりした。そうすると、だんだん通う予定の学校のことが分かってきて、子どもがのびのびしている、給食の残飯率が低い(インフルエンザが大流行したときも学級閉鎖は出なかったそうである)、1クラス30人前後である、宿題はさほど多くはないなど、「いい学校じゃん」と思えるようになってきた。ナミにも、いろいろ見聞きしてきたことを話すようにすると、不安はまだ残るものの、半分くらいは期待に変わってきたようだ。
調べるだけ調べて、ハラをくくった。どんなに親が心配しても、通うのは子どもである。子どもの持つ力を信じてやるしかない。そして、万が一何かことが起こったら、親は全力で子どもを守ってやるしかない。結局そこに落ち着いて、急に気持ちが楽になった。保育園生活もあと少し。親子で思い切り楽しもうではないか。(つづく) |
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